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[民俗・芸能][行事][神野校区]は2件登録されています。
民俗・芸能 行事 神野校区
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荒神さんとおすみ
昔の農家にはカマヤがあって、大ガマさん、中ガマさん、小ガマさんが並んでいた。大ガマさんは、年末の餅つきの時、味噌醤油の大豆、麦を煮る時、農耕馬の大麦を煮る時等に使われ、中ガマさんと小ガマさんは必要に応じてそれぞれに用いられた。 カマヤは、荒神様が鎮座される所として、真ん中の荒神柱に榊や柴等を供えた神棚を設け、神々のお札が安置されていた。正月には小豆を一ぱいつけた荒神さん餅(ナマコ餅)、蜜柑、干柿等が供えられた。また年何回かは、荒神盲さんといわれた盲僧が、墨染の衣に頭陀袋を下げて、大ガマさんの前に莚をしいて、手さぐりしながら御幣を切って、神事を行い読経し、家内安全を祈願し、終われば家族の心尽くしの歓待を受け、盲僧が経験した各地の面白い話を聞かせたものである。 小学校の遠足や、どこかに遠出する時は、大人達に「おすみさん(煤のこと)を頂いたか」と言われて慌ててもどり、大ガマさんの前に行って、焚き口上についている煤を人差し指につけ、額にすりつけて飛びだしたものである。 今は家が改築されたり、改造されたりして昔のカマヤのある家はないようだ。プロパンガスに変わった現在、大ガマさんの前で、藁や大きな木片をどんどん燃やしながら、灰の中にさつまいもを投げこみ、焼けるのを待ちながら尻をまくって、暖をとった少年時代が懐かしくてならない。
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ゴミホイ (泥土揚げ)
この行事は、川干の頃行われた。 堀の泥土揚げは、灌漑用水路であり、生活用水路でもある堀の清浄を保ち、浅くなるのを防ぎ、水田の肥料を得る大切な仕事であった。方法は堀を適当に区切り、両側にミチギ(足場)を組み渡し、その上に4、5人ずつ向かって乗り、少しいびつになったゴミ桶につけた親綱と子綱を引き、呼吸を合わせて桶を操作し、泥土を汲みあげる。堀の中では2人くらいが腰までつかり、カスイで泥水をかき集めて汲みあげ易くする。すべてが、呼吸を合わせ、反動を利用しての操作であった。 子供達は、田圃にあげられた泥の中の魚を泥んこになって手でつかまえたり、竹竿の先に貝杓子等をつけたものでとったものである。魚をとって意気揚々とうちに帰ると、泥によごれた衣服が洗っても落ちないとよく叱られた。