本庄町地域のクリーク網
本庄町地域のクリーク網
■所在地佐賀市本庄町
■登録ID876
堀は、クリークとか溝渠ともよばれ、灌漑排水、生活用水、たんぱく源供給など農・漁業、日常生活に重要な役割を果たしてきた。本庄町地域内も縦横無尽、網の目のように張り巡らされていた。域内のクリークには自然的成因である、干潟時代の澪(江湖)及びその支流や旧河道が堀、いわゆる自然堀(江湖堀)として遺存するもの。また、灌漑排水用として設けられたもの、集落形成や宅地造成用の土取りとして掘削されたもの、人為的成因のものがあった。南北方向の堀が導水的機能をもち、東西方向の堀が貯水的機能をもっていた。およそ海抜4m線あたりが多布施川末流と江上流との結接点となっている。これによって多布施川水系からの淡水がひかれ、灌漑・生活用水が維持されてきた。
本庄町地域の水田面積に対する用水堀の占める面積の割合は、水田面積479町に対し用水堀面積は49.8町で10.4%となっていた。(『佐賀平野における農業水利事業の沿革』による。)その様相は、本庄村当時の『本庄村水路要図』(古野尚司元本庄公民館長作成)で窺うことができる。今日では、往時の河川・水路の状態が圃場整備事業や宅地造成等の開発で大きく変化している。
出典:ワークショップ中野和彦氏寄稿