与賀神社本殿・幣殿・拝殿

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与賀神社本殿・幣殿・拝殿

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■所在地佐賀市与賀町
■文化財指定状況国登録有形文化財 登録有形文化財
■文化財指定日平成25年6月21日
■登録ID5364

 与賀神社は、欽明天皇25年(564)に勅願造立(ちょくがんぞうりゅう)され、建暦2年(1212)北条義時が社殿を再興したと伝わる。
 登録される建造物は、本殿・幣殿・拝殿を一直線に接続した複合社殿であり、残存する本殿と拝殿の棟札によると、佐賀藩6代藩主鍋島宗教(享保3年(1718)~安永9年(1780))を大願主とし、酒井新五左衛門孝耀(生没年不明)を総大工として建築された。その後、屋根を銅板葺に改造している。
 本殿は、石積基壇上に建つ大型の五間社流造(ごけんしゃながれづくり)で、その内部に正面3間側面1間切妻造祭壇付きの内殿と、さらに内殿内部の極彩色の一間社流見世棚造(いっけんしゃながれみせだなづくり)の宮殿3棟を配置する。内外の随所を獅子や鷹などの瑞獣(ずいじゅう)や雲龍などを主題とした精巧な彫刻で華やかに飾り、見所の多い建造物である。
 幣殿は桁行2間、切妻造、銅板葺で、石積基壇上の切石礎石上に建ち、本殿及び拝殿と一体に造られる。室内の本殿側には、装飾豊かな本蟇股(ほんかえるまた)を置き、華やかな室内となっている。元は本殿側を高くする段差があったが、現在はこれを無くし、平坦な床としている。
 拝殿は、桁行3間、梁行3間、入母屋造、軒唐破風(のきからはふ)付、銅板葺で、元の切石積をコンクリート洗出しで固めた基壇上に建つ。背面を除く三方に擬宝珠柱(ぎぼしばしら)付き切目縁を付け、柱上には拳鼻付き平三斗(ひらみつと)を置く。室内は、出三斗(でみつと)で支える格天井(ごうてんじょう)や、正面と背面中央間の虹梁(こうりょう)を浮彫付きとするなど、装飾豊かである。床を新建材張りに改造した他、昭和37年(1962)に、拝殿右奥に祭器庫を増築している。
 与賀神社本殿・幣殿・拝殿は、残存する棟札により建築来歴が明らかで、かつ、その後の改造も少なく、また、建造物内外の随所を彫刻で華やかに装飾しており、地域の歴史的景観に寄与するものとして重要な建造物である。

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