徴古館

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■所在地佐賀市松原二丁目 鍋島報效会
■文化財指定状況国登録有形文化財 登録有形文化財
■文化財指定日平成9年11月5日
■登録ID5359

 徴古館は、県内では初期の本格的な鉄筋コンクリートの2階建て洋風建築物で、昭和2年(1927)に竣工しました。場所は、佐賀城の北堀端、藩校弘道館跡地にあたります。徴古館一帯は、大正2年(1913)に鍋島直正と古川松根の銅像が建立されて「銅像園」と呼ばれ、また園内北西には佐賀図書館が建てられ、文教振興の象徴として大切にされてきました。
 徴古館外観の特徴である正面ファサードは、ギリシャ復古主義の列柱様式をとり、車寄せの列柱は、2本1組のふき寄せで、わずかにエンタシス(胴張り)を持っています。
 徴古館は、鍋島家の意志に基づき、同家所蔵資料を中心に展示公開する博物館として建てられたもので、佐賀における最初の博物館施設として先駆的な役割を担った建物でもあります。昭和15年(1940)以降、その運営は鍋島家により設立された財団法人鍋島報效会に移されました。その後、昭和20年(1945)の佐賀連隊区司令部による接収などを経て、昭和30年(1955)から佐賀県に建物と資料を貸与して佐賀県文化館として再開しましたが、昭和45年(1970)には展示公開を休止しました。
 平成9年(1997)、徴古館は国の登録有形文化財に登録され、以後、郷土を代表する歴史博物館として市民に親しまれています。令和3年(2021)には、地域を象徴する貴重な建造物として、「22世紀に残す佐賀県遺産」に認定されました。
(写真:公益財団法人鍋島報效会提供)