催馬楽譜 一冊

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催馬楽譜 一冊

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■所在地佐賀市松原二丁目 鍋島報效会
■文化財指定状況国 国宝
■文化財指定日昭和27年11月22日
■登録ID5326

催馬楽(さいばら)は、もともと平安時代初期に民間で広く歌われていた古代歌謡のひとつであったが、やがて貴族の間に取り入れられ、その後宮廷において広く用いられるようになり、譜の撰定も数次にわたって行われ、旋律も不定であったものが、平安時代中期には律(りつ)・呂(りょ)二種の旋法に固定化した。
本書は鍋島本といわれるもので、縦25.5センチメートル、横16.7センチメートルの和綴本で、飛雲文様のある料紙に押界を施し、首に律・呂の順に拍子と段数を記した目録を掲げ、続いて引声(いんじょう)・拍子を加えた本文を記している。目録には、呂歌三十六首と記すが、現在は呂歌のうち真金吹(まがねふく)、此殿者(このとのは)、此殿乃の全部と芦垣の後半、山代の前半を欠く。半葉七行ずつ、万葉仮名を用いて温雅(おんが)な楷書にて一筆で写されている。平安時代後期の書写とみられ、催馬楽古写本では最も古いものである。
(写真:鍋島報效会提供)