西山田二本松遺跡二号住居跡出土銅釦 一点

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西山田二本松遺跡二号住居跡出土銅釦 一点

  • 西山田二本松遺跡二号住居跡出土銅釦  一点

■所在地佐賀市城内一丁目 佐賀県
■文化財指定状況佐賀県 重要文化財
■文化財指定日昭和62年3月16日
■登録ID5302

西山田二本松遺跡は佐賀市大和町大字川上字西山田二本松に所在する。弥生から鎌倉時代にかけての集落跡で、中心となるのは弥生時代後期の住居跡群である。発掘調査で弥生時代中期末~後期後半の2号住居跡から出土したものである。
銅釦(どうこう)は何らかの器物に装着してボタン状の飾りに使用された朝鮮系青銅器である。本品の場合、直径5.1センチメートル、高さ0.85センチメートル、全体の形状は直径3.6センチメートルの半球座に幅0.7~0.8センチメートルの周縁が付き、断面状鉢状を呈している。半球座の項部は径1.0センチメートルの少し凹みのある平坦面となり、緩やかに周縁へ降りる。半球座の裏は空洞で、その中心に孔径0.2センチメートルの小さな鈕が付く。半球座、周縁の表裏面ともに素文である。
遺存状況は周縁が薄いために数ヶ所で小さな欠損がみられ、部分的に表面も別離しているが、全体に比較的良好である。色調は表裏面ともに漆黒色で、半球座裏側の鈕の周囲には赤色顔料が残存している。
銅釦の発見例は他に、佐賀県小城市布施ヶ里遺跡の3点と、熊本県および京都府で各1点と、全国で4遺跡6点しか知られていない。
本例はそのうちの1点であり、朝鮮半島からの青銅器文化の影響を如実に示すとともに、住居跡出土の供伴土器によって銅釦の流入の時期が明らかにできる点で、学術的に価値が高い。