紺紙金字法華経 七帖

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紺紙金字法華経 七帖

  • 紺紙金字法華経 七帖

■所在地佐賀市城内一丁目 佐賀県立博物館(鍋島報效会)
■文化財指定状況佐賀県 重要文化財
■文化財指定日平成8年5月29日
■登録ID5294

表紙には宝相華唐草文を金銀泥(きんぎんでい)で、見返し絵は釈迦説法や経典内容を金泥で描いている。経文は、金界線を引き、1行17字詰めの金字で書く。経帙は近世の後補であるが、題箋(だいせん)は当初のものである。金剛杵をかたどる象牙の帙(ちつ)留具も当初からのものである可能性が高い。
見返し絵は、極めて謹厳な筆致により細密に描かれていて、経文も力強い。高麗の宮廷工房である金字院の制作の可能性も考えられる。
第7巻の奥書により、至元6年(1340)に沙門淵鑑を発願者とし、柏厳と聡古により筆写されたことがわかり、施主と幹事の名も記される。また,それに続く別筆の施入銘からは、対馬を通じて高麗と交修していた少弐頼尚(しょうによりひさ)が正平12年(1357)に太宰府天満宮に寄進したことが知られ、さらに後に続く再施入銘により尼僧妙安により佐賀龍泰寺におさめられ、寛文3年(1663)に枝吉利左衛門により修理再納されたことがわかる。高麗装飾経の代表作として、美術的価値はもとより、制作から日本に請来された後の伝来事情までを明確に記す歴史資料としても重要である。
(写真:鍋島報效会提供)