木造大日如来坐像 一躯 附 大日如来由来記 一巻、木札 六枚

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木造大日如来坐像 一躯 附 大日如来由来記 一巻、木札 六枚

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■所在地佐賀市久保泉町大字川久保 妙福寺
■文化財指定状況佐賀県 重要文化財
■文化財指定日平成20年3月14日
■登録ID5291

妙福寺は、臨済宗、東福寺派で開山は円鑑禅師の高弟の大道一以大和尚である。
本尊の大日如来は、定朝様を忠実に受け継ぐ面貌の表現や一木造りの構造からみて、制作の時期は11世紀の後半と考えられる。作風は中央の様式をよく伝えて優れており、半丈六(仏像の大きさの基準となる1丈6尺の半分)の大きさは県内の平安仏では最大で像高164センチメートルである。
また、同寺には本像にまつわる由緒が伝えられており、恵心僧都源信の作とする。伝説的要素が強いものの、本像の制作の背景に天台宗の源信に係わる信仰が係わっていた可能性をうかがわせる点、脊振山系の仏教文化を考えていく上で興味深い。像の背面には鍋島勝茂の名を記す朱銘が残っている。修理の際のものと思われるが、勝茂の信仰あるいは文化事業の一環としてとらえるべきであろう。
本像は平安文化を伝える美術品として優れているばかりでなく、肥前仏像史上でも重要な位置を占めるものと考えられる。