丸山遺跡三号墳舟形石棺 一合(附)鉄剣二口 鉄矛一口 鉄刀子四口 土師器十点(四個以上)

  1. 旧佐賀市
  2. 久保泉校区
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丸山遺跡三号墳舟形石棺 一合(附)鉄剣二口 鉄矛一口 鉄刀子四口 土師器十点(四個以上)

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■所在地佐賀市城内一丁目 佐賀県立博物館
■文化財指定状況佐賀県 重要文化財
■文化財指定日平成3年3月30日
■登録ID5284

丸山遺跡は、久保泉町大字川久保に所在し、狭い範囲に密集した竪穴式石室・横穴室石室・竪穴系横口式石室・舟形石棺・小石室といった多様な内部主体を持つ5~6世紀の古墳群に特徴づけられる。
3号墳は径13.8メートル、周溝まで含めると径16.6~16.9メートルの円墳で、墳丘上には葺石(ふきいし)を持つ。内部主体は墳丘中央部に直葬した1基の舟形石棺である。石棺は長方形の墓壙に埋置されていた。石棺内部には3体分の人骨が遺存していたほか、鉄剣2口・鉄刀子2点が副葬され、棺外には鉄矛1口・鉄刀子2点が置かれていた。また、墳丘上及び周溝内からは土師器甕・高杯・小型壷が出土した。これらの出土遺物から5世紀後半の年代が考えれられる。
石棺の石材は身・蓋ともに阿蘇熔結凝灰岩である。蓋は、全長232センチメートル、頭位幅114センチメートル、足位幅100センチメートル、高さ50センチメートルをはかり、いわゆる四柱屋根形をなし両方の妻には円柱状の縄掛突起が造り出されている。棟部には狭い平坦面を設け、屋根は直線的に周縁部に延び、平縁を有さない。身は、全長235センチメートル、頭位幅117センチメートル、足位幅104センチメートル、高さ56センチメートルをはかり、小口部には円柱状の縄掛突起が造り出され、周縁部には縁辺突帯がつく。側面はわずかにすぼまりながら安定した平底へ続く。内部は平面長方形にほぼ垂直に刳り込まれており、長さ181センチメートル、頭位幅74センチメートル、足位幅69センチメートル、深さ39センチメートルをはかる。蓋・身ともに内面は赤色顔料で塗彩されている。
この舟形石棺と同形式の石棺は、熊本県菊池川下流域と福岡県大牟田市周辺に集中して分布している。このことは佐賀平野と筑後南部・肥後北部との関連を示唆するものであって、5世紀後半における北部九州の社会・政治体制を検討するにあたって重要な資料と位置づけることができる。