関行丸古墳出土遺物 一括

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関行丸古墳出土遺物 一括

  • 関行丸古墳出土遺物 一括

■所在地佐賀市城内一丁目 佐賀県立博物館
■文化財指定状況佐賀県 重要文化財
■文化財指定日昭和48年4月23日
■登録ID5281

佐賀市久保泉町大字川久保に所在する関行丸(せきぎょうまる)古墳から出土した遺物である。関行丸古墳は、西南向きの全長55メートルの前方後円墳である。
関行丸古墳の内部主体は短い羨道(せんどう)をもつ横穴式石室で、後円丘の前半に位置し北側くびれ部に向かって開口する。石室は長さ4.35メートル、幅2.8メートル、高さ2.65メートルで、石室の奥側半分に板状の仕切石で3つの屍床(ししょう)を造り、各屍床から合計4体の人骨と副葬品が、また、石室の前半部と羨道部からも遺物が出土した。
第1屍床からは熟年~老年男性とともに方格規矩鏡(ほうかくきくきょう)(径10.1センチメートル)、歩揺(ほよう)と魚形をとりつけた金銅製半筒形装飾具(長14.9センチメートル)1双1具などが出土した。奥壁に接した第2屍床からは若年1体(もう1体か)と、珠文鏡(径7.3センチメートル)、金銅製冠片・貝輪・刀子(とうす)・尖頭(せんとう)工具が、また第3屍床からは熟年~老年人骨と20歳くらいの男性人骨、変形文鏡(径7.6センチメートル)、珠文鏡(径8.8センチメートル)・勾玉(まがたま)・棗玉(なつめだま)・管玉(くだたま)・ガラス小玉・貝輪・刀子・鏃(やじり)・鞘尻(さやじり)状金具が出土した。石室前半の床面からは鏃のほか鉸具(かこ)・鋲留(びょうどめ)金具などの馬具類が、羨道閉塞(せんどうへいそく)の詰石(つめいし)近くから三環鈴(さんかんれい)などが出土した。三環鈴は、外形11センチメートルの大形のものである。中に入る鈴子もそれにふさわしく径2センチメートル前後の丸石である。
関行丸古墳は未盗掘墳であり、石室構造の特徴や鏡・金銅製品・貝輪・三環鈴などの出土遺物からみて紀元500年前後に築造・追葬されたもので、古墳文化を研究する上で価値の高い資料である。