蒸気船雛形(スクリュー船)一隻

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蒸気船雛形(スクリュー船)一隻

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■所在地佐賀市松原二丁目 鍋島報效会
■文化財指定状況佐賀県 重要文化財
■文化財指定日平成17年3月30日
■登録ID5279

佐賀藩精煉方で製作された蒸気船の雛形で、外輪・スクリュー2隻のうちのスクリュー船である。長さ99.0センチ、高さ67.0センチ、幅22.0センチで、外輪船同様、蒸気機関や動力伝達装置などは銅、真鍮などの金属で作られているが、船本体は木製である。
近年の調査で、内部の構造や材料等について明らかになってきた。それによると外輪船同様に汽罐内に煙管が施されているが、その構造はより複雑なものとなっており、より高い熱効率が実現できたと思われる。蒸気機関と推進駆動軸との接続はピストン・ロッドとコネクティング・ロッドを一体化したオッシレイト・エン.ジン(首ふり機関、揺筒機関)となっており、この機関は当時日本に輸入された欧米の文献に表れた最新の技術である。このようにスクリュー船は蒸気車、外輪船との動力・推進機構部などを含めた内部構造の比較から、蒸気車一外輸船一スクリュー船の順で技術進歩の段階を経ていることが推定され、貴重である。
国産初の蒸気船の建造につながる佐賀藩の科学技術の水準の高さを示す重要な資料である。
(写真:鍋島報效会提供)