石造六地蔵六観音像 一基

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石造六地蔵六観音像 一基

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■所在地佐賀市高木瀬町大字長瀬 坪の上天満宮
■文化財指定状況佐賀市 重要文化財
■文化財指定日昭和52年2月11日
■登録ID5162

坪の上天満宮の石造六地蔵六観音像は、現地表面からの総高2メートル、屋根は緩やかな勾配をもった波形で、中台には蓮華文が刻出されていて、全体の構造は均整がよくとれていて安定感があり、尊像は優美であって工芸品としてもすぐれている。また破損は中台、尊像などの一部にわずかばかり認められるのみで、ほぼ完構に近く保存は良好である。
この石像の特色は、尊像が12体彫られていることで、下段に六道の衆生を救済するという6体の地蔵像が蓮座上に配され、上段に更に6体の観音像が蓮台上に刻まれている。この上段の観音像は、下段の地蔵尊に比べると小像であるばかりでなく、6体とも合掌印を結ぶ垂髪の同じ像容に彫られていて、個性に乏しく簡略化された表現となっている。
竿石には、
伏冀現世安穏後生善処
欽奉彫刻観音地蔵二六尊像
永正十五戌寅………十日
と刻まれていて、この石像が県内の六地蔵としては、永正15年(1518)という比較的に古い時期に属するものであることが判明する。
室町時代には地蔵信仰が最も盛んであったことは遺物の上から知ることができ、この石像は地蔵信仰とともに観音信仰も盛んであったことを明らかにする資料の一つとして特に注目に値いする。