深川嘉一郎 

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深川嘉一郎 

■所在地佐賀市(日新)
■登録ID2594

  文政12年(1825)〜明治34年(1901)
 佐賀郡久保田町に生まれる。深川家は、代々酒造を業とする佐賀藩の御用商人で豪商として知られ、長州征伐の際、軍資金を献納したり、藩命により外国米を購入し藩の御蔵方の用もつとめた。
 明治4年(1871) 旧藩主所有の汽船神幸丸を借り受けて有明湾雁之沖から長崎を経て大坂への航路を開いたり、海運業を創始、大成し財をなした。その資金をもとに、多種多様の事業に乗り出し、大川運輸株式会社、深川造船所、金融業の地所株式会社などの基盤をつくった。
 中でも、明治26年(1893)4月に道祖元町に設立された地所株式会社は、資本金28万円で、海運業で大成した巨額を資本金をもとに、佐賀付近に300余町歩の田地を購入、その地所の保全と小作米の取立などの業務とした。また同社の一部資金を以て、同社に銀行部を設け、明治32年(1899)9月金融機関を併設した商事会社になる。
 しかし、大正9年(1920)を境に日本経済は大恐慌に陥り深川財閥が関係する一連の企業は次々と姿を消していった。
 道祖神社近隣は、明治中期の隆盛時に深川一族の会社、居宅があった関係で今でも昔の面影がいくらかしのばれるたたずまいである。

出典:日新読本p.189〜190