大野神社

大野神社

  • 大野神社
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■所在地佐賀市東与賀町大字飯盛(大野)
■年代現代
■登録ID1236

町の軒先が建ち並ぶ大野地区のほぼ中央に、まだ木の香も馨(かお)る大野神社が、その威容を春空に映えて鎮座している。この神社の祭神は大綿津見神で、記録を探ると旧名称を「沖神社」と呼び、法人登記は昭和21年9月30日となっている。「沖」の冠詞があるように、昔はこの辺一帯は海岸であって、古老の話では「この氏神様は当初より海の守り神として祀られた」との事である。
旧社殿は歳月と共に腐朽して雨漏りさえしたことと、その西側を通る町道新設のために昭和54年5月7日新築落成した。この社殿新築に関しては、昭和51年頃から村民の世論が高まり、当時の故碇壮次町長を顧問として、元町会議員福岡兼三郎、老人会代表故北村豊次や区長山田鹿雄・碇勉・芦原末男等が発起人となり、まず隣保班ごとに3か年間を目途に1戸当たり月額1.000円宛の積立貯金を始めた。ところがその頃は年々と物価が上昇したので、むしろ早急に建設した方が得策だとの強い意見や要望が高まって来た。そのため各区長は隣保班長会を開催し、神殿建設についての協議がなされ決定されたのである。
かくて建設委員長には石丸朋一が推せんされ、佐賀市川副町の田原丈夫を棟梁として着工した。まず仮遷座祭を宮田豊宮司(佐賀市北川副町)の司会により昭和53年7月11日に、次いで旧殿の解体作業・地鎮祭・上棟式等も古式にのっとり厳粛に取り行った。遷座祭を同54年4月16日無事に済まし、待望の落成式の祭典を同年5月7日の佳き日をトして、めでたくも晴れやかに挙行したのである。
因みにこの新社殿の総工費や諸経費の合計額は、2.700万円の巨額を要したが、前述の通り村民・氏子の積立貯金および1戸平均5万円の拠出金それに篤志寄付金その他をもって当てられている。

出典:東与賀町史p1221

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