北のお宮

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■所在地佐賀市東与賀町
■登録ID1121

北のお宮の沖仲大明神は漁業の神様で、数年前まで旧9月21日が例祭であったが、海苔の関係で毎年9月20日前後に改正された。このお祭り当日には、今年と来年の当番は紋付羽織に藁草履で正装し「沖仲大明神」の幟(のぼり)を先頭に、海の幸(魚)山の幸(ぎんなん・山芋)里の幸(くわい・いも)の五種の神饌(しんせん)をかついで神社へ行列する。特に来年の祭り引継者(番帳渡し)は、顔に白粉や紅や墨で面白おかしく化粧して、三味線を弾き歌いながら来年の当番の家まで行列を作っていく奇習がある。これらは素朴ながら豊かな農漁村でなければ見ることのできない昔ながらの風俗習慣である。
この宮は古来今町の東北部旧堤塘の東側で旧江の西部に大明神社として、相当の広さの境内を有する社殿であった。ところが昭和8年より2・3か年間にわたって、八田江の大改修が施行され、そのためにこの神殿および境内の全部を取り壊され移転のやむなきに至った。しかし移転し新築するには過去の証明書や新築願書それに多額の経費や地所面等、種々の困難も多かったが、当時の宮司故野田春吉をはじめ信仰心の厚い氏子総代等の努力によって、昭和50年3月現在の位置に威風堂々と新築落成がなされたのである。

出典:東与賀町史P1175