英彦山詣り

英彦山詣り

■所在地佐賀市東与賀町搦住吉
■年代近世
■登録ID1064

英彦山(1.200m)は古くから修験道の拠点として栄え藩政時代より佐賀の崇敬は特に篤かった。旧2月15日の松会(まつえ)行事と秋の豊前坊の祭りにあわせての参拝が多く、各集落では権現講(英彦山講)の代参者を送った。古くは徒歩で田代、甘木、小石原へて英彦山という道程であった。坊で二の膳・夢の餅の歓待をうけ、翌朝、緑川で禊をして上宮に参拝した。代参者を送り出した集落では女達が集まり上宮茶講をした。この時飯杓子を叩いて無事を祈ったという。3泊4日の短い旅であったが仕事に追われた農民にとっては楽しみなレクリエーションで御札、飯杓子、英彦山ガラガラ、藁草履などをみやげに立酒を飲んで帰路についた。集落につくと神社で待っている子ども達にへそくり菓子やみかんを配り、権現講をした。搦では秋の10月15日に英彦山まいりをしていた。現在でも住吉では英彦山まいりが続けられ、各戸の玄関にはみやげの英彦山ガラガラが見られる。

出典:東与賀町史P1028