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[旧佐賀市][ 天然記念物]は10件登録されています。
旧佐賀市 天然記念物
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エヒメアヤメ自生南限地帯
天然記念物
エヒメアヤメの自生地は、史跡帯隈山神籠石(おぶくまやまこうごごいし)の列石線内にあって、別名タレユエソウと呼ばれているアヤメ科の多年性草木である。長さ15~20センチメートルほどの剣状の細長い葉を直立させ、葉間から10センチメートル内外の花茎(かけい)を出して、桜の散るころにアヤメの花を小さくしたすみれくらいの一花を開き、紫色のきわめて可憐(かれん)な花を咲かせる。 その分布は、もともと寒冷・乾燥の地を好むので、ヨーロッパのアルプス地方から中国東北地方・朝鮮半島付近まで普通に自生している。わが国では、瀬戸内海周辺の山陽・四国・北九州にのみ自生している。 エヒメアヤメという名は、古くから愛媛県腰折山に自生していることが知られていて、牧野富太郎博士によって命名されたものとされる。 大正7年(1918)に神埼市日の隈山で発見されたころは、みやき町から小城市清水付近の山中に見ることができたが、現在は自生地が限定されている。 エヒメアヤメは、アジア大陸と日本列島の西南部との植物分布関係を研究する上から貴重な価値を有するものである。
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カササギ生息地
天然記念物
カサザキはカラス科に属し、カラスよりやや小さく、黒色に白斑のある翼を大きくはばたかせながら飛びかっている。 カササギはアフリカの北西部及び北半球の全域に分布しているが、地域差が強く、わが国では佐賀平野を中心に生息していて、他で見ることのできない珍しい鳥である。大正12年(1923)、天然記念物にその生息地として指定された。佐賀市・鳥栖市・神埼市・三養基郡・多久市・小城市・武雄市・杵島郡・鹿島市・藤津郡と福岡県の三潴郡・山門郡が範囲である。最近は唐津市・東松浦郡・伊万里市・西松浦郡はもとより熊本県や長崎県でも生息している。 カササギは勝烏(かちがらす)、勝鳥(かちどり)、肥前烏(ひぜんがらす)などと呼ばれて佐賀県民に親しまれ、昭和40年(1965)5月、県鳥に指定された。生息の起源については、豊臣秀吉の朝鮮出兵時に佐賀藩祖鍋島直茂らが持ち帰ったなどという人為的移設説や自然飛来説などがある。 繁殖期は1月から6月ごろまで、巣作りは早いもので12月に始まり高木や電柱上に営巣し、送電に支障をきたすこともある。無数の枯枝を組み合わせて作られた球形の大きな巣内に2月から3月ごろにかけて5~6個を産卵し雌が抱卵して、約20日ぐらいで孵化(ふか)し、4~5月頃を中心にヒナは巣立をする。
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与賀神社の楠 一株
天然記念物
与賀神社は欽明(きんめい)天皇の時代(6世紀)に創建されたと伝えられる。その後、文明14年(1482)に少弐政資(しょうにまさすけ)が与賀城(現在の佐賀市赤松町・与賀町)を築いたとき、その城館の鎮守の社(やしろ)としたものである。 この神社の境内には、クスの巨木が3株ある。その中で拝殿の南側にある1株が、昭和40年(1965)に県天然記念物として指定されたものである。 樹齢600年と推定され、根回り25.5メートル、目通り、幹回り9.77メートル、樹高20.5メートル、枝張り東西37メートル、南北25メートルである。 地上5メートルの高さのところから幹が大きく2つに分かれて、四方に枝葉が繁っている。幹や枝には、多くのノキシノブ・コケ類が付着して生育しており、老樹を感じさせる。木幹にはかなり大きい空洞があるものの樹勢は盛んである。 堂々とした老樹の風格の姿は、由緒の古い与賀神社を物語るかのようにそびえ、数多い佐賀市内のクスの中でも代表的な巨木である。 このクスの堂々たる風格に感じ入った俳人、青木月斗(げっと)の句碑が境内に建てられている。 われにせまる 三千年の楠若葉
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佐嘉城阯の楠(群)
天然記念物
佐賀地方には、古くからクスが生い茂っていたとみえて、8世紀前半に編集された『肥前国風土記』の佐嘉郡の条に「むかし、樟(くす)樹一株この村に生ゆ。幹枝秀でて高く、茎葉繁茂して朝日の影は杵島郡蒲川山をおおい、暮日の影は養父郡草横山をおおう…」と記されている。さらに、佐賀(佐嘉)という地名は、クスの巨木が生え栄えていることから「栄国(さかのくに)」と呼ばれるようになったことによると伝えている。 現在佐賀城跡一帯には、総数120株あまりのクスが生えている。特に、お濠のほとりには樹齢300年をこえると推定される巨木が並び生え、水面に濃い影を映し、県民に深い安らぎを与えている。 佐賀城阯のクスは、17世紀前半、かつて龍造寺(りゅうぞうじ)氏の居城(きょじょう)であった村中(むらなか)城を整備拡張して近世の佐賀城に構築したころに植えられたものと推定されている。大きいものでは、樹高26メートル、目通り幹回り6.5メートル、枝張り24.5メートルにおよぶものがあり、城下町佐賀を彩る由緒ある巨木群として価値が高い。
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浄円寺のイチョウ 一株
天然記念物
イチョウは中国原産の落葉高木で顕花植物の中で最も古い時代の木で、生きる化石といわれ、花粉から精子を出すので有名な木である。浄円寺のイチョウは境内にあって推定樹齢約370年、目通り4.40メートル、樹高30メートル、枝張り20メートル、根本から15メートルの高さまで幹が垂直にのびている。今日なお樹勢も旺盛で佐賀市内における、巨木として価値が高い。なお、イチョウは昭和54年(1979)4月1日に佐賀市の木として制定された。
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高伝寺の梅 一株
天然記念物
高伝寺境内の墓所のほぼ中央にある梅は、高さ2.04メートル、根回り5.7メートル、目通り幹回り1.5メートルで根本から3枝幹に分かれ外方にひろがり出ている。樹齢300有余年といわれ、老梅としての風格を保ち、市内に存在する代表的な巨木である。この梅は、佐賀藩祖鍋島直茂が隠棲した際、佐賀郡春日村(現在の佐賀市大和町南東部)玉林寺の金峰和尚が贈った梅で、明治初年に高伝寺に移されたと伝えられている。
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日枝神社の楠 一株
天然記念物
楠は、クスノキ科の常緑高木で、暖地に自生し、わが国の植物中最大に成長するものであって、材質は硬くて木目が美しく、独特の香気があって諸種の器材として賞用され、また樟脳を製する原料に用いられている。 『肥前国風土記』の佐嘉郡の条に、「むかし、樟樹一株この村にはゆ。幹枝秀でて高く茎葉繁茂し、朝日の影は杵島郡蒲川山をおおい、暮日の影は養父郡草横山をおおう。日本武尊が巡幸の時、樟が茂り栄えているのを御覧になって、此の国を栄国というべしとおおせられた。そこで栄郡といい、後に改めて佐嘉郡と号した。」とあって佐嘉郡の地名のおこりを伝えている。この風土記の記事によっても、佐賀地方には古くから楠の巨木が栄えていたことを知ることができるとともに、佐賀県の代表的な植物でもあるので、県の木として、また、県の花として親しまれている。 木原1丁目日枝神社の境内に一株の楠の巨木がある。高さ24メートル、幹回り6メートル、枝張り23メートル、樹齢およそ700年といわれ、幹には、ノキシノブやコケが着生し、枝は四方に広がり主幹には諸処にコブ状の隆起がみられ樹盛も旺盛で樹齢の古さを物語っている。
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大小野の石楠花 一株
天然記念物
大小野(おおごの)は久保泉町から神埼市脊振町に至る途中の山麓地帯に位置する。 民家の庭先を流れる細い谷川の側に植栽されている石楠花(しゃくなげ)は、推定樹齢400年、根回り3.5メートル、樹高2.8メートル、枝張り9.1メートルで根本のところから多くの枝が分岐し、枝葉のすそは地面をはうように広がり、清流を覆った形で四百年の樹齢を保ち続けた最適な場所にあり、佐賀市近郊では珍しく大きく成長した名木のひとつである。4月の開花時期には樹勢にふさわしい淡紅色の花を一面に咲かせ、植物上も賞美に値するものである。
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国相寺の楠 一株
天然記念物
樹齢推定500年の大楠で樹勢も旺盛である。樹高約18メートル、目通り6メートル、根回り20メートル、枝張り約29メートルで、佐賀市内では、与賀神社の楠につぐ大きさである。この楠は、根本のところが極度に大きくなっているところに特色があり、楠の巨木の代表的なもののひとつとして価値が高い。 佐賀の楠が文献に表われた最古のものは、『肥前国風土記』の記事であってその佐嘉郡の条に記されている。したがって昔から佐賀地方には楠が繁茂していたと考えられる。市内には主として県庁前から東西の城濠にそって多く見られる。
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牛島神社の楠 一株
天然記念物
牛島天満宮の楠は、小川の傍に生育していて、推定樹齢1000年、根回り24.5メートルで境内にのび、根が地表上に隆起している。幹は小川の上に横たわっていて根本から5メートルのところの幹回りは7メートルである。根本から7メートルのところから大枝が上にのびて幹枝の態を呈しているが、その大枝の大きさは幹回り4.5メートルである。樹高はおよそ15メートル、枝張りは約23メートルであって樹勢はなお旺盛である。 この楠は佐賀市内における代表的な巨木というだけでなく、かつて大風で倒れたのではないかと推定され、横に倒れた幹や隆起し石をはさんで露出した雄大な根部、1枝が幹枝のように立上って成長している状態など生態的にも価値の高い巨木である。