「畑の隅の中央さん」

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「畑の隅の中央さん」

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■所在地佐賀市嘉瀬町
■登録ID89

畑の隅や、屋敷の隅に「中央さん」を祭ってあるのを時々見かける。時には「中王さん」とも書いてある。
「中央さん」……年古の大工さんの話
昔、家を建てる時、土台柱の場所に、石を置いて目印をつけた。それが「中央さん」。土台柱は、家屋全体の要でもある。この中心となる地に建った柱は、梁の中心にもなり一段と基礎固めが必要であった。近所の人達が「石ぼっ突き」に加勢に来て、簡易やぐらの綱を引っ張り、歌に合わせて「石ぼっ突き」をしたもんだ。その基礎がための上に建った柱に、「荒神さん」を祭ったもんだ。「荒神さん柱」の近くに竃(かまど)を造り、藁を燃した煙は、白蟻駆除になっていた。
家も建ってしまった後の「中央さん」は、屋敷の隅の畑などに置き、お花など供え、建てた家の安全を、その後も、「中央さん」に願っている人もいる。

出典:嘉瀬津よもやま話(P.28)