本陣跡

本陣跡

■所在地佐賀市呉服元町7-33
■登録ID5389

呉服町商店街の長崎街道を南に向かい東に折れた角に昔からの石の道しるべが二本あり、それぞれに「こくらみち・ながさきゑ」(小倉道・長崎へ)「右おふくわんゑ」(往還へ)と刻まれています。さらに道なりに東へ向かうと晒橋の手前に佐賀藩本陣跡があります。本陣とは、大名や旗本及び幕府の役人等が使用する宿泊所のことです。従来、佐賀城下では願正寺と称念寺が仮本陣(御茶屋)として利用されていましたが、寛政年間に入ると長崎奉行が佐賀城下に宿泊するケースが増えてきたため、当城下にも本格的な「本陣」を設ける必要がありました。
 寛政12年(1800)、呉服町の御用商人野口恵助から私邸の提供を受け、安政年間になると、藩はさらに隣接屋敷を買収したり、献上させたりして本陣として拡張し、御書院・寝所・家老屯・御膳所・祐筆・医師など数多くの部屋を設けて整備しました(『佐賀市史』第二巻)。本陣ができてからは、願正寺・称念寺は脇本陣として使用されました。

出典:豊福英二氏(郷土史の調査研究)

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