河上神社文書(二四七通) 十四巻

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河上神社文書(二四七通) 十四巻

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■所在地佐賀市城内二丁目 佐賀県立図書館(与止日女神社)
■文化財指定状況国 重要文化財
■文化財指定日昭和55年6月6日
■登録ID5339

河上神社文書は佐賀市大和町に所在する河上神社(与止日女神社)に伝わる古文書で、平安期10通、鎌倉期92通、南北朝期85通、室町期60通の計247通からなり、武雄神社文書とともに、県内の神社文書の双壁といえる。この内、院庁(いんちょう)・大宰府・国衙(こくが)等の関係文書は肥前国のおかれた立場を明らかにし、南北朝関係文書は14世紀の九州の動向を示す、史料として貴重である。
正応5年(1292)8月の「河上宮造営用途支配惣田数注文」は、鎌倉後期に肥前国内における公領(こうりょう)や荘園をその面積(田数)とともに報告したもので、公領の約三千五百町に対して荘園は約一万三千町に及んでいたことなど公領荘園の大概(たいがい)がうかがえる。また、文治(ぶんじ)2年(1186)「後白河院庁下文(ごしらかわいんちょうくだしぶみ)」では、武士化していた在地領主層が共同して皇室領荘園神埼荘を襲い放火、略奪、殺害等を行うなど、源平争覇(そうは)後も先の戦乱中の権益を獲得しつづけようとする新興勢力の武士たちとこれを守ろうとする旧勢力の荘官たちの対立の図式がうかがえる。
これらは佐賀県ひいては北部九州の平安、鎌倉、南北朝期の歴史的動きを知る上で貴重な文書である。