大堂神社奉納北前型弁才船模型 一隻
大堂神社奉納北前型弁才船模型 一隻
■所在地佐賀市城内一丁目 佐賀県立博物館
■文化財指定状況佐賀県 重要有形民俗文化財
■文化財指定日平成10年5月11日
■登録ID5315
北前型弁財船の模型は、大堂神社に奉納されていたもので、10分の1の模型で、船底の墨書から、明治19年(1886)に制作されたものである。
17世紀以降、瀬戸内地方で活躍していた中・小型の地方的廻船の弁財船は、商品流通の増大に対応するため帆走性能等の向上をめざし改良が加えられていった。そのうち、日本海地域で発達、寛政されたものを北前型弁財船と呼ぶ。この模型は、北前型弁財船に特徴的な船首と尾が大きく反り、船首寄りに大きく開く前膨らみの線型を備えている。
明治期の特徴的な構造が随所に見られる。
大堂神社は筑後川を河口から9キロメートルほどさかのぼった諸富港に近い場所にあり、この模型は有明海からの海運を物語る極めて貴重な資料である。同種の奉納船の例は全国的にも少なく、その精巧なつくりから、当時の北前型弁財船の船型・構造、造船技術を探求する上でも貴重である。