十三塚遺跡出土鏡 方格規矩鳥文鏡 1面 夔鳳鏡 1面 附 鉄製刀子 1点

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十三塚遺跡出土鏡 方格規矩鳥文鏡 1面 夔鳳鏡 1面 附 鉄製刀子 1点

  • 十三塚遺跡出土鏡 方格規矩鳥文鏡 1面 夔鳳鏡 1面 附 鉄製刀子 1点

■所在地佐賀市城内一丁目 佐賀県立博物館
■文化財指定状況佐賀県 重要文化財
■文化財指定日平成18年3月31日
■登録ID5308

昭和46年(1971)、旧佐賀郡大和町大宇川上で行われた工事で、2体の人骨を埋葬した箱式石棺墓一基が発見された。この箱式石棺墓には、方格規矩鳥文鏡(ほうかくきくちょうもんきょう)一面と夔鳳鏡(きほうきょう)片一面、鉄製刀子(てつせいとうす)一点が副葬されていた。
方格規矩鳥文鏡は、径15.4㎝の中型鏡である。内区の中心にやや大きめの半球鈕.があり、その周囲を18個の珠文が巡る。その外側には、櫛歯文帯があり、二重の突線で区画された方格の内側には4つの小乳が対角線上に配置されている。方格の各辺中央には、「T」字状文様が見られる。方格の一辺上には、「T」を挟んで乳が2ケ所ずつ計8つの乳が配置される。この乳と方格の間に胴上半部を表現した鳥文が各辺2対、計8つ鋳出される。さらにその外側には、珠文を施した鋸歯文帯、櫛歯文帯と続く。外区は平縁で、波長の長い複波文帯と外向鋸歯文帯が巡る。
夔鳳鏡は、縁と内区の一部が残る鏡片である。復元径は約11.0㎝。平縁で、内区との境には凹線が巡り、その内側には連弧文帯が施される。内区の雲状夔鳳文は、やや不鮮明である。鏡の破面は研磨されてないが、鏡背の角は丸く破鏡として用いられた可能性がある。製作時期は、中国における紀年銘鏡及び共伴する紀年銘出土品から後漢時代中期~後期とみられる。
佐賀平野における古墳時代の同棺複数埋葬例から古墳時代前期から中期前半頃と推定される。古墳時代前半期の埋葬施設に2面の鏡を副葬する例は、佐賀平野では唯一であり、方格規矩鳥文鏡と夔鳳鏡の組合せは国内においても希少である。本遺跡から出土した青銅鏡は、希少価値の高い鏡の組み合わせだけでなく、古墳時代前半期における佐賀平野の首長層の動向を知る上で重要である。