銅戈 一口

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銅戈 一口

  • 銅戈 一口

■所在地佐賀市城内一丁目 佐賀県立博物館(個人)
■文化財指定状況佐賀県 重要文化財
■文化財指定日昭和52年3月11日
■登録ID5301

嘉瀬川が佐賀平野部へ下る一帯は広大な扇状地が形成されており、そこには弥生時代の大規模な遺跡が多数分布している。
この銅戈(どうか)も、その遺跡のひとつ「尼寺(にいじ)一本松遺跡」において、大正8年(1919)に個人が自宅の庭園を拡張中に偶然発見されたものである。当時の状況をみると、地表下約60センチメートルのところに、切先を北に向け水平な状態で置かれていたという。
大きな欠損はなく、ほぼ完形であるが、全体的に刃こぼれが著しい。
全長39.3センチメートル、最大幅は約7.5センチメートルで切先の先端部がかなりの広がりをもつとともに、偏平化が著しい。
また、樋(ひ)と脊(むね)は身全体の約2分の1強の長さにもなる。樋には両面とも綾杉文様が比較的明瞭に陽鋳されており、その基部には台形の孔をもつ。胡(こ)はあまり延びず短い。茎(なかご)は小さくて薄く、その両面に五重の弧文を鋳出している。全体の仕上げの研磨は、あまり入念ではない。緑色に銹化しており、銅質はあまり良くない。重量405グラム。
銅戈の形式としては中広形に属し、弥生時代後期の製作と推定される。祭器として埋納されたものであり、当時の祭祀のあり方とその意味を知るうえで重要な資料である。