与止日女神社西門 一棟
与止日女神社西門 一棟
■所在地佐賀市大和町大字川上 与止日女神社
■文化財指定状況佐賀県 重要文化財
■文化財指定日昭和61年3月19日
■登録ID5298
与止日女神社の創建は欽明(きんめい)天皇25年(564)と伝えられ、『延喜式神明帳』に「与止日女神社」とみえる。応保年間(1161~1163)肥前国一の宮になり、弘長(こうちょう)元年(1261)正一位を受け、明治4年(1871)県社となり、「与止日女さん」として人々に慕われている。
本殿西北方に西門と称する本瓦葺き、切妻造りの四脚門がたつ。
実相院文書中の棟礼(むなふだ)写しによれば、元亀4年(1573)の建立である。垂木は一幹、疎垂木である。妻は虹梁蟇股(こうりょうかえるまた)式で破風(はふ)には、ひれ付、拝懸魚(おがみげぎょ)、降懸魚(くだりげぎょ)、これらに木製菊形の6葉が飾られている。蟇股は彫刻のない板蟇股である。正面・背面の梁(はり)上の中備(なかぞな)えにも板蟇股を配し、中央の真束(しんづか)は角形である。
親柱は、円柱で、冠木(かぶき)を受け、脚部には唐居敷(からいしき)が付く。控柱は大面取りの角柱で、親柱と頭貫(かしらぬき)・腰貫(こしぬき)で固め、柱頭に大斗(だいと)、肘木(ひじき)を置く。親柱の外側は10センチメートル程度、平らに削られていて、ほぞに穴や釘跡がないので、おそらく門の両側に土塀か、石塀があったのかもしれない。
県内では最も古い時期の社寺建築で、価値が高く貴重な遺構である。