紙本著色龍造寺隆信像 一幅

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紙本著色龍造寺隆信像 一幅

  • 紙本著色龍造寺隆信像 一幅

■所在地佐賀市城内一丁目 佐賀県立博物館(宗龍寺)
■文化財指定状況佐賀県 重要文化財
■文化財指定日平成7年5月26日
■登録ID5264

龍造寺隆信(1529~1584)は、現在の佐賀城付近を根拠地とした龍造寺一族のうち、分家水ケ江龍造寺氏の周家の子として生まれた。8歳で天台宗宝琳寺で出家したが、天文15年(1546)に水ケ江龍造寺氏の当主家兼(剛忠)が没したので還俗して家督を相続、天文17年(1548)には宗家の家督も相続した。
天正6年(1578)には有馬氏を降伏させ肥前を平定した後、近隣諸国へ戦いを拡大し、勢力範囲は筑前、筑後、肥後、豊前にまで及んだ。
隆信の肖像画は、現在9点が知られており、本図と同形式のものに、鍋島報效会本、松林家本、佐賀県立博物館本が知られるが、本図は肖像画としても優れ、同形式の中で先行する作品と推測できる。また、本図と異なる姿で描かれた隆信の肖像画も、本図の形式を基本として改良を加えたものである。
したがって、本図は隆信の肖像画の中で「肥満の大将」(『九州治乱記』)と伝えられる豪放な戦国大名の姿を誇張、理想化も少なく描出している点、最も優れた作品といえる。同時に、従来から知られる桃山時代の武将像と比較しても、その破格な服装をはじめ、隆信の豊満な肉体的特徴など、個性豊かな肖像画であり、その価値が高い。