有蓋類形板碑(鳥獣供養塔)

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有蓋類形板碑(鳥獣供養塔)

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■所在地佐賀市三瀬村 杉神社
■文化財指定状況佐賀市 重要有形民俗文化財
■文化財指定日昭和49年8月22日
■登録ID5228

杉神社の鳥居と道路を距てた杉林の中に立っている本碑は、県下に10数基ある鳥獣供養塔の中でも最古の在銘碑である。塔形は方盤の基礎の上に板状梯形の碑身を立て、寄棟造りの笠蓋を頂くもので、類形板碑の一種で、総高130.5センチメートルである。
碑身の上部に四角の浅い龕を彫り、中に如来形坐像を浮彫り、その下に三行銘を刻み、下部に鳥、鹿、猪の三鳥獣を線刻で描いたものである。
銘は
従十八歳至五十歳猟師山本軍助
山本軍助利恭
慶長十七壬子年十一月
とある。本碑の造立には伝説が伴う。
山本軍助の祖先は、山内の城主神代氏に仕える武士であったが、軍助は猟師となって、十八才の頃から狩猟に専念し、猪百頭を仕止める志を立て、五十才にして既に九十九頭を射止め、あと一頭で念願達成という時、物の怪に悩まされ、殺生の罪深きを悔悟し、一念発起して仏道に入り、これまで殺傷した鳥獣の供養塔を建てて、その霊を弔ったのが本碑であると伝えられる。
同類の供養塔中最古の在銘碑として貴重であり、供養対象とした鳥獣を描画している点でも希少の存在である。