石造十六羅漢像並びに石造釈迦三尊像 付石造駒形標柱一九躯 付一一基

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石造十六羅漢像並びに石造釈迦三尊像 付石造駒形標柱一九躯 付一一基

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■所在地佐賀市木原一丁目 岩松軒
■文化財指定状況佐賀市 重要文化財
■文化財指定日昭和48年2月11日
■登録ID5172

曹洞宗の岩松軒(がんしょうけん)の境内に、石造十六羅漢像と石造釈迦三尊像が安置されている。十六羅漢は、正法護持のために講じられた修業者の一群で、禅宗では修業の階程として羅漢を崇敬している。この十六羅漢は、釈迦如来の眷属(けんぞく)として表現されることが多いが、釈迦三尊を中心に安置されているこの岩松軒の十六羅漢もまたその一例である。
羅漢像は、すべて結跏、半跏倚坐等の坐像であって、像高50~80センチメートル、切石の台座に坐している。釈迦三尊像の中尊である釈迦如来は、両手を軽く組み蓮台上に結迦趺坐(けっかふざ)する坐像であって像高69センメートル、台座を含めての総高124センチメートルである。釈迦如来の脇侍である文珠及び普賢の両菩薩は、それぞれ獅子と象の上に半跏して座す。頭髪を垂れて宝冠をいただき、文珠は如意、普賢は経巻を執る。獅子や象を含めての像高は、ともに68センチメートルである。
十六羅漢及び釈迦三尊を合わせて19躯からなるこの群像は、その彫像技法などからみて、江戸時代の宝暦年問(1751~1761)前後の作であろうと推定されるが、肥前石造工芸の円熟期の所産として各尊像の個性をよく表現し、しかも群像としての全体調和をよく整えている点は、石造彫刻としてその価値が高い。しかも、いくらかの欠損の箇所はあるが、19躯の群像が一括して保存されている点もまたその価値を高めており、江戸時代における信仰史の上からも注目される文化遺産である。
各尊像の名称や寄進者等を刻した駒形標柱は、11基が残存するのみで、その大半は欠損している。高さ45センチメートル、幅15センチメートル余りの尖頭の方形石柱で、下部は生け込みとなっている。