不動滝

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■所在地佐賀市久保泉町大字川久保
■登録ID2955

 慈音院の右手の山道を、瀬の音伝いに登ると二条の瀑布の前に出る。不動尊を祀ってあるので『不動の滝』という。
 もうここまで来ると、俗世の雑音も雑念も去り、木霊する爆音に何かを祈りたくなる。飛沫は岩に砕け、かかる虹の橋はいつ来ても心が和む。
ああわが古里よ 古里よ。
   なくもがな、瀑布の前の閉ざされた籠り堂。
 不動明王は、大日如来の命を受け、衆生の心に潜む悪魔を払い善人にして下さるという御仏で、右手に剣・左手に策(なわ)を、怒った形相で髪は炎のように逆立たせ、するどい眼光、むき出した牙。何と恐ろしい姿だろう。いや我々の心の悪魔の姿ではないだろうか。
 滝の左手の道を西へ登ると、大方広佛華厳経と書かれた巨石がある。
 華厳経は大乗仏教経典の代表格とされる。大方広仏とは広大なる仏ということである。「仏道の根幹は仏を信じ、修業と求道により心の内にひそむ諸悪業をざんげすれば、自分も清浄になり社会も光り輝やく極楽となる」と説く。

出典:久保泉町史跡等ガイドブックp.76〜77

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