鶏(にわとい)曲い

鶏(にわとい)曲い

■所在地佐賀市富士町大字麻那古
■登録ID2903

 皆が手仕事で田んぼを開いていた頃のこと。「陣八の下ちゃあかくるるごたっしこでん広げんばー」と頑張っていたおじいさんが居て、ある日、自分の田に県道が通ると聞いて「こりゃあ大変」と、お役人の所へ鶏小屋の中から一番ふとった鶏を籠に入れて持っていった。
 そして、
「苦労して開いた大事な田じゃっけん、県道は山際の方さんまわして通してくんさい」と一生懸命頼んだ。役人は困ったがあまりの熱心さにとうとう道は山際の方へぐりいっとまわして通す事にした。それからそこの道を「にわといまがい」と呼ぶようになった。

出典:富士町史下p.821〜p822