山神取水堰

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山神取水堰

■所在地佐賀市富士町大字上合瀬
■登録ID2834

 嘉瀬川支川初瀬川に築造されている農業用取水堰で、地元では「岩井手」と呼ばれている。天端から落ちる流れは、自然石に分けられて白濁し、あたかも天然の滝のようなその景観は、樹木に囲まれた渓流の中で見事に調和し、その清涼感に一服の安らぎを覚える。
 上平地区では元来初瀬川支川赤田川から取水していたが、渇水期には水量が不足していたため、農民が費用を出し合って築造したといわれている。
 堰体は野石乱積みで、堰長約13.5m、堰高約3.0mの全幅越流型である。天端の幅は、約2.6mで、下流側に約24㎝傾斜している。横断方向にも水平ではなく、左岸側に約5cm傾斜している。流れを左岸に寄せてゴミは堰を越流させ、水だけを用水路に取り組むという優れた工法がとられている。度々の出水に対して決壊、落石もなく、修築の記録もないことから堅固な石積み工法がとられているものと思われる。

出典:地域の人の説明