かいもん屋敷の猫

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■所在地佐賀市富士町大字古湯(貝野)
■登録ID2780

 昔、小城から嘉右衛門という人が杉山にきて屋敷を構えて住み着いた。杉山の人たちは、かいもん(嘉衛右門)屋敷と呼んでいた。屋敷には1匹の年老いた大きな三毛猫がいた。猫は子どもに噛みついたりするので、魔性の猫として、人々から恐れられていた。なんとか始末をしなければと、屋敷に来ていた相撲取りに訳を話し、斬り殺してもらい、猫の死骸を袋にいれ、貝野川の上流から流してしまった。ところが、このあと、不思議なことが起こるようになった。下流の貝野では大水がでたり、疫病が流行ったり、農作物が不作になったりと悪いことが続いた。猫を殺して川に流したという噂がひろがり、これは猫のたたりに違いないと、貝野では丁重に祀ることにした。城山橋を渡って少し登った道の端に祀ってあるのがそれである。猫神さまの祭日を師走の11日と定めたので、十一日神とも呼んでいる。

出典:富士町史下p.630