荒神

荒神

■所在地佐賀市大和町
■登録ID2198

 「荒神(コウジン)さんは荒神(アラガミ)さんで家の回りに夜小便をすると回り荒神にとがめられる」とか「旅に出る時は荒神さんを拝んで行けばけがあやまちをしない」とか子どもの時からよく親にいわれ恐れていたものである。荒神は一般にかまど神としてくどの近くに神棚を設け、かまどの形を粘土で作り神棚に上げており、家ごとに祀られている場合が多いが、地荒神として屋敷内に祀っている場合もある。石神としての荒神は当町では稀であるが、大久保の堤氏屋敷の入口にある石神は青面金剛といえばいえないこともないが荒神の石神ではないかとも思われる。その姿は三面八臂で弓、矢、剣、矛等を持った立像である。頭は一見馬頭観音風に見えるが馬頭ではなく、髪の毛が焔のように逆立った焔髪である。荒神を信仰すれば福禄を与えられ長生きが出来るとか、一家和合の神とか、火の用心の神とか、けがあやまち等の災難を免かれる等その功徳を信じて、正月にはくどの形をしたナマコ餅を供えたり、農家では稲束三ばを供える所もある。

出典:大和町史P.567〜568