副島種臣犬神堀の投網
副島種臣犬神堀の投網
■所在地佐賀市西与賀町
■登録ID217
副島家の隣に、須古弥エ門の住宅があった。種臣が弘道館教授の当時、高太郎犬神屋敷(旧西与賀小学校の北東)の堀干しがあって獲物が多かったので弥エ門氏は種臣に、しきりに漁をすすめた。
その時種臣は机に向かい、読書三昧に入っていたため、何の返事もない。弥エ門は、更に大声を発して勧めてもやまなかったが、種臣は迷惑そうに、「先に行かれよ、あとで自分は参るから」と言い読書を続け読書一段落を告ぐるや、網を肩にのこのこと家を出た。
テボも持たねば別に支度もせず、しかも犬神堀にいたるや数回網をうったが、場所も動かねば、魚の取れよう筈がない、村人はあまりの事に呆然として見物していたが、種臣は、左様のことに頓着なく数回にして投網を肩に平気で帰宅し、再び机に向って、先の読書を続けたということである。
出典:ワークショップ