チョウヒン鳥(動物の起源)
チョウヒン鳥(動物の起源)
■所在地佐賀市川副町
■登録ID2078
むかし。
あるところに、お母さんと親不孝な息子が住んでおったと。
ある日、お母さんが死ぬ間際になって、親不孝な息子に、「俺が死んだ時ゃあ、海端ゃ埋めてくいろ」と言った。
お母さんは、親不孝な息子が反対ばかりしていたから、そのように頼んでおけば山に埋けてもらえるだろうと思った。そしてお母さんは、やがて息をひきとった。
ところが、親不孝な息子は、「お母さんの、あがん言いよらしたけん、死んでからなっとん、ほんなことせじゃあ」と、独り言を言って、お母さんの死体を海端へ埋葬した。
そのため潮が満ちてくるたびごとに親不孝な息子は、「お母さんの墓が沈む」
と言って、泣いていた。とうとう親不孝な息子は鳥になってしまい、潮が満ちてくるたびごとに、
「チョウヒン、チョウヒン」と鳴いて、お母さんの墓が流れてしまうと心配しているということさ。
そいばあっきゃ。
(船津 副島ツタ)
出典:川副町誌P.895〜P.896