お辰観音像
お辰観音像
■所在地佐賀市金立町東千布
■登録ID1729
東千布観音周地に建つ小さな観音堂に等身大のお辰観音が祀られている。玄蔵の娘お辰は徐福と恋仲となったが、徐福が一族の長であり毎日多忙であることから時々機会を作って恋を語り思いをとげる外途がなく逢う瀬が少なくなりお辰は遂に所謂恋わずらいとなり、果ては明日を知れぬ重態になってしまった。お辰は「自分は思うこと叶ずして死出の旅路をたどることとなるが、私の死後私を祀ってくれるものがあれば参拝する諸人の願を叶えてやる念願をもっている。」と言い遺したので、其の後近郷の人々の間で話し合いお辰を形どる観音像を作り祀ったのが、今の観音像と伝えられている。功徳として結婚祈願をよく成就すると言われている。50年毎に行われる所謂「金立神社のお下り」のときは、必ずお辰観音が出迎え一夜を共にする行事が今でも行われる。
昭和58年2月にお辰観音堂が修理された時に次のように記載された棟札が発見された。
上棟南無大悲観世音菩薩
現三十三身而祓苦與楽除災集福
国家泰平村中安穏五穀成就
奉勧請 吉田氏 こノ時 延享二年 閏十二月吉日良辰
建立自主 吉田五兵衛尉
大工 石丸軍平尉正長
小工 若二
昭和五庚午一月吉日良辰 建替 大工 小寺初次
出典:金立・久保泉地区文化財要覧p.18