鍋島駅

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■所在地佐賀市鍋島町大字八戸溝1303(江頭)
■年代近代
■登録ID1691

鍋島町における経済活動も次第に盛んになった段階で、地元はもとより近郷の市町村においても駅の設置を希望する声が高まったので、当時の鍋島村長中島猪六氏が中心となり、当町出身の在京有力者や三好勝一県議の協力を得て運動が進められる中、肥前山口から諫早に至る長崎本線敷設工事の状況視察に来佐した、時の鉄道大臣小川平吉氏に陳情したことが決め手となって、昭和5年2月から工事が始められた。
盛り土には機関庫の石炭ガラを利用し、労力は地元江頭の人があたり、人夫賃は1日・1円80銭であった。工事が農繁期と重なったために若干の軋轢もあったが、障碍を乗り越えて工事は完成し、同年7月7日から鍋島駅として一般運輸の営業が開始された。喜んだ村民は、江里の「浮立」をはじめ、各地区から「踊り」や「にわか」を繰り出して、7月10日に盛大な祝賀行事を行い祝福した。駅の開設によって地元民の受けた恩典は計り知れないものがあり、昭和28年の大水害の折は、駅の倉庫が牛馬の避難場所となり、水死を免れたようなこともあった。

出典:鍋島町史p140

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