たかっぽ
たかっぽ
■所在地佐賀市西与賀町
■登録ID154
棲息孔に入っているムツゴロウが、干潟上にとび出る習性を利用して、捕獲する方法である。径4cm内外の真竹の節を1か所残して、長さ25cmぐらい切断した竹筒である。一端に残した節の中央に小孔をあけ、節のない方の端は内側を削って薄くし、内側にだけ開く簡単な針金のベンをとりつける。
ムツゴロウの棲息孔を発見すると、その孔の上にたかっぽの節を上にして立てておく、節の孔から光がもれているので、ムツゴロウは外へ出ようとして、竹筒の下方につけてあるベンを押し上げ、たかっぽの中に飛込むと、ベンが下におりて、ムツゴロウはたかっぽの外へ出られなくなってしまう。
たかっぽは、1回に数十個のものをたてて、一定の時間が経つと順次とりあげていく。この方法で難しい点は、干潟の棲息孔がどの方向にむいているかを見極めることであってその孔の方向にたかっぽも向けておかないとムツゴロウは入らないといわれている。
この方法は、大量捕獲に適し、余り技術を要しない。板鍬などで掘りとることの困難な軟弱な干潟のところでも可能であって、場所の制約を受けないという長所がある。
出典:西与賀の歴史とその周辺p63