下満の山王社

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■所在地佐賀市久保田町下満
■登録ID1377

 国道207号線、久保田宿の西端から北へ約150m、下満の民家を少々はなれ、王子製紙の工場を間近にした田園の真ん中に、山王社、天満宮、弁財天の三石祠が台石の上に祀ってある。
 山王社の石祠は、台石から約1.8m、中に石像がある。石祠の右側面に「文政元戊寅天(1818)十一月吉良日」と刻まれている。前の方、左右に高さ1.5mの小さな灯籠がある。その横には高さ50cmほどの石柱があって「奉寄進、当村酒井平兵衛」と天保八酉年(1837)」が刻まれている。
 山王社は、県内では神埼町の仁比山にある仁比山神社が「山王さん」と言って、県内はもちろん福岡、久留米方面から参拝する人が多い。
 祭神は大山咋尊、農業の神さまである。山王さんには神令使の「さる」の像が祀ってある。お祭りは毎年4月の初申の日とされている。13年に1回の申の年には「大御田という円舞が13日間にわたって奉納される。田舞の中で種もみが蒔かれるが、その種もみを持ち帰って一緒に蒔けば良い苗が育つ、と言い伝えられている。
古老の話では、下満の山王さんは、以前は現在地より東の方、山王屋敷に祀られていたが、後、現在地に移された。春の祭日には旗を揚げ、浪曲などの余興があり、集落総出でおこもりなどもした。
今、山王さんは、氏子の皆さんの寄進により境内が整地され、石造物も整然と改修され、静かに田園の移り変わりを見守っておられる。

出典:久保田町史 p.496〜497

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