中村公民館

  1. 東与賀町
  2. 東与賀町
  3. 中村公民館

中村公民館

■所在地佐賀市東与賀町大字田中(中村)
■年代近代
■登録ID1154

今日の地区公民館は、かつての「青年会場」であるが、昭和3年5月に新築されたものである。50数年前の瓦葺き青年会場は、東与賀村内でも珍しい存在であるが、総工費約500円也でその資金は、当時十数名の青年諸君が相協力して働いた汗の結晶である。即ち大正12・3年頃から、各戸より石炭の注文をとり、佐賀市久保田駅前の於保石炭店から仕入れて車力で運び、これを各家々に配達し販売するのである。その頃は自動車もトラックも無い時代で、石炭の運搬は相当の重労働であったが、それだけに売価もかさんで収入金は予想以上に多額に上った。こうなると石炭だけでなく木炭の仲買いにも手掛けたり、女子の処女会員は菱の実を採集しこれを茹でて佐賀ん町中をふれ売り歩いて協力した。
特に稲刈りのすんだ田ん圃を借用して、仮小屋を設け1週間から10日間位の活動写真の上映は、実に大きい収入源となった。佐賀市内には宇宙館や大正館があったが、遠く離れたこの農村には娯楽機関には恵まれず、坂東妻三郎主演の映画など大いに受けて、毎日が大入り満員の盛況であった。木戸銭は20銭であったが、村内の有志や名士には案内状を発送して、その「御花」が1円も包まれて木戸銭の4・5倍に達して収入財源は益々ふくらんだのである。こうした当時の男女青年たちの協同によって約500円余の貯蓄ができ、これに村落よりの補助金を得て、待望した青年会場を見事に建築落成したのであった。

出典:東与賀町史P1202

地図