舟霊

舟霊

■所在地佐賀市東与賀町
■登録ID1091

海で暮らしをたてる人たちの祀る神として船の守護神「舟霊さん」がある。舟霊さんの神体は男女1体の人形、銭12文、双六の賽(さい)2個など。人形は紙でつくり銭12文は今では10円貨をもって代用するが閏年は13枚、平年は12枚。賽は「天一地六(てんいちぢろく)向こう三三(さざなみ)、前四(し)あわせ、中に二(荷)を積む」と1を上に向け、6を下にし、表に3、艫(とも)に4の目が向くように2個をあわせて入れる。これらの神体は船おろしのときに船大工によって中央の帆柱のところにはめ込まれた。
舟霊は、船での吉凶を前もって知らせてくれると信じられており海のしける時などは、「チッチッ」という音が聞こえるという。これを「舟霊さんのさえさす」というが、漁船の動力化によりこの音も聞きとれなくなった。

出典:東与賀町史P1059