地蔵信仰

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地蔵信仰

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■所在地佐賀市東与賀町
■年代古代
■登録ID1032

地蔵菩薩は、釈迦入滅の後、弥勒菩薩が現われるまでの間、六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上)の救済の菩薩とされ、平安末期におこった末法思想により庶民の間に広く信仰されるようになった。
近世には、さらにあらゆる願いをかなえてくれる仏として祈願され、いろいろな供養塔の本尊としても用いられるようになった。佐賀においては三界萬霊塔の上に建つものが多い。三界とは欲界(食欲、性欲など欲の世界)、色界(物色の世界)、無色界(欲も物もない精神のみの世界)の三つをさし、この世のすべての霊をこの塔に宿らせ回向することによって誰でもすべての霊を供養することができると言われ、集落の辻など多くの人から回向をうけやすい場所に建立されている。
また、独尊像のほかに六地蔵像がある。六地蔵は六道巡錫(じゅんしゃく)を造型化したもので、丸彫り像を6体並べたものと石幢に彫ったものがある。
六地蔵の典拠となるものは不明で、諸説があって一定しないが1、2を示しておく。
地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人間道・天上道、あるいは、予天賀地蔵・放天王地蔵・金剛幢地蔵・金剛悲地蔵・金剛宝地蔵・金剛願地蔵などで、これが造型化されたものと言われている。
石幢に彫られたものは六地蔵像と観音信仰で記した六観音六地蔵像があり多くは寺院や墓地でみられる。上古賀の栄蔵寺境内には、三界万霊を中心に左右に3体ずつ6体の地蔵と石幢六地蔵があり実久の龍水院前、立野公民館前と路傍、下飯盛地蔵院・龍田寺などにもある。
地蔵は身近な信仰の対象として庶民に親しまれており、いろいろな伝承を持つ地蔵がある。実久の通称泣きびす地蔵(夜泣き地蔵)は、赤児の夜泣きを封じる地蔵として、夜中に人に知られぬように赤色の胸掛けをかけてやると良いと言われている。中村の地蔵は眼病に霊験があると言われ、中割の地蔵は男児を望む人の信仰を集めている。

出典:東与賀町史P1044