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[指定文化財][佐賀県][久保田町]は2件登録されています。
指定文化財 佐賀県 久保田町
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香椎神社四脚門 一棟
重要文化財
香椎神社は、安元3年(1177)ごろ、この地の地頭窪田因幡守藤原利常(くぼたいなばのかみふじわらとしつね)が、久保田村矢櫃の森という所に創建したが、天明ごろ現在地へ社地替えとなったと伝えられている。祭神は、神功皇后、応神天皇、住吉大神である。 この門は、神社境内に建つ1間1戸の四脚門で、神門あるいは楼門と呼ばれている。自然石を用いた礎石に角柱を建て、その柱に頭貫(かしらぬき)を通し、三斗(みつど)、実肘木(さねひじき)を組み、その上に桁を置いた簡単な構架である。屋根は切妻造の本瓦葦である。 しかし、その意匠は雄大であり、蟇股(かえるまた)やその他の彫物には、桃山時代の特徴である華麗かつ豪壮の余韻も認められる。この門の建立年代についての記録はないが、構造様式からみて、江戸時代初期ごろのものと推定される。 なお、全体的に荒廃の度がひどかったが、昭和37年に解体修理が施され、腐朽材は取り替えられ、後世の付設部分も取り除き、一新された。 県内には、この時期の様式を今に伝える木造の建造物はたいへん少ないことから、この神社の四脚門は貴重である。
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木造阿弥陀如来坐像 一躯
重要文化財
佐賀市久保田町徳万にある王子山三学寺は、承和5年(838)、疫病防除のために、僧仁海(にんかい)が比叡山延暦寺の末寺として開山したと伝える天台宗の古寺である。 三学寺に伝えられる本像は、親指と人指し指を捻じた両手を膝上で組合わせて弥陀の定印(じょういん)を示し、蓮華座に結跏趺坐(けっかふざ)する阿弥陀如来坐像である。 総高は45.8センチメートル。頭体部から蓮華座にいたるまで桧の一材から彫出し、肩の後ろから地付にいたる背板をあて、丸いほぞ四つで結ぎ合わせる。内刳(うちぐ)りは施さず、表面も彩色を施さず素木(しらき)仕上げとする。 頭髪は螺髪(らほつ)とせずに縦に毛筋を刻み、後頭部を省略する。目は上下の瞼を刻むだけで表わして半眼とし、頬骨の自然な膨らみを表現する。体部には厚手の衣を胸前から左腕、左肩、背中を覆って右肩に懸ける偏袒右肩(へんたんうけん)にまとうが、胸前をゆったりと開き、胸や腹部の膨らみをのぞかせている。蓬華座は、素弁を魚鱗葺(ぎょりんぶ)き風に交差させて刻み出す。 以上のように、本像の表現は丁寧ではあるが、たいへん素朴である。これは厳格な規定に従って作られた中央の仏像には見られない特徴でもある。 木造の背中にある墨書によって文保(ぶんぽう)年間(1317~1319)に制作されたものであることがわかった。