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[指定文化財][佐賀県][富士町]は2件登録されています。
指定文化財 佐賀県 富士町
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市川の天衝舞浮立
重要無形民俗文化財
日月をしるした直径1メートル余りのテンツキとよばれる大きな紙張りの前立を額に付け、腰にゴザを下げた踊手が両手にバチをもって大太鼓を打つ浮立で、毎年10月15日(現在は10月第3土曜日)に氏神諏訪(すわ)神社に奉納される。 出演者は壮年男子による笛の役・謡・鉦打、青年女子によるパンパコ・銭大鼓、少女による扇子舞であり、太鼓を打つ踊手のテンツクミャーは口を白布で覆い、手甲・脚絆にわらじばきである。その他、祭礼には高張提灯・バレン・カサボコ・棒使いなどが加わり、総勢100名余りの数にのぼる。 曲目は道行・鳥居がかり・神の前・まくり等である。 神社の鳥居にかかると道行から鳥居がかりの曲に変わり、行列は境内を3周して円陣を作り、定位置につく。棒使い、鉦打ちによる奴踊の後に神の前となる。神の前・まくりの曲目でテンツクミャーがテンツクを振り回しながら囃子(はやし)に含せて舞い踊る。途中、謡が入るが、このテンツクミャーの踊方や太鼓の打ち方には厳格な所作があり、最も神聖な役とされる。 なお、同様な天衝舞浮立は玄蕃一流(げんばいちりゅう)浮立ともいわれ、佐賀市を中心に伝承されている。
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木造薬師如来立像 一躯
重要文化財
中原薬師堂の薬師如来像は、像高161.3センチメートルで樟材の一木造りで、彫眼、漆箔で朱色の衣をまとい肉身は金色に彩色されている。右手を胸前にあげ、左手を垂下して薬壼を持つ。頭・体根幹部を両肩先から袖、足枘枘まで含み一材から彫りだしている。 彫りが深く、きびしい顔立ちは古様を重んじる伝統を感じさせ、天台宗の山岳仏教が盛んであった脊振山系の特徴を、よく表した立派な仏像である。等身大の仏像を1つの木材からほぼ丸彫りでつくり、部分的に内刳りを施している。衣文の彫出は浅く、体躯は扁平につくられ頬が張り、口唇と顎を強調した顔つきは個性的である。 薬師如来像の周りには、十二神将の朔像が並んで薬師如来像を護っている。この朔像の制作年代は不明であるが、薬師如来が祀られると同時に造られお護りをしてきたものと考えられる。薬師如来の手にある薬壺で、体の悪いところを撫でると良くなるという言い伝えもあって、遠くからお詣りする人が少なくない。 薬師如来像は、個性的な作風がみられ、脊振山系の仏教美術を考察する上で重要な作品である。