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[指定文化財][国][天然記念物]は3件登録されています。
指定文化財 国 天然記念物
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エヒメアヤメ自生南限地帯
天然記念物
エヒメアヤメの自生地は、史跡帯隈山神籠石(おぶくまやまこうごごいし)の列石線内にあって、別名タレユエソウと呼ばれているアヤメ科の多年性草木である。長さ15~20センチメートルほどの剣状の細長い葉を直立させ、葉間から10センチメートル内外の花茎(かけい)を出して、桜の散るころにアヤメの花を小さくしたすみれくらいの一花を開き、紫色のきわめて可憐(かれん)な花を咲かせる。 その分布は、もともと寒冷・乾燥の地を好むので、ヨーロッパのアルプス地方から中国東北地方・朝鮮半島付近まで普通に自生している。わが国では、瀬戸内海周辺の山陽・四国・北九州にのみ自生している。 エヒメアヤメという名は、古くから愛媛県腰折山に自生していることが知られていて、牧野富太郎博士によって命名されたものとされる。 大正7年(1918)に神埼市日の隈山で発見されたころは、みやき町から小城市清水付近の山中に見ることができたが、現在は自生地が限定されている。 エヒメアヤメは、アジア大陸と日本列島の西南部との植物分布関係を研究する上から貴重な価値を有するものである。
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下合瀬の大カツラ 一株
天然記念物
大カツラは、脊振北山(ほくざん)県立自然公園内、佐賀市富士町下合瀬地区樋口にある。付近は標高400メートル前後の低山地で、大カツラは東側に開口する小さな谷間の開口部付近にあり、三方を杉林に囲まれている。 カツラは、九州から北海道にかけての山地に自生する落葉高木で、幹は径1メートル以上に達し、樹皮が縦に裂ける。葉はヘリにギザギザがあり、円形または広卵形で長さ約2センチメートル。葉は細長い柄で対生し、細長い枝の両側に並ぶ。雌雄(しゆう)異株で4~5月、葉に先立ち葉脈に紅色の小さな花が咲く。雄花には多数のおしべが、雌花には薄紅色の糸状の柱頭(ちゅうとう)がある。 下合瀬の大カツラは雄株で、水平根回り13.8メートル、樹高34メートル、枝張り周囲37メートルと巨木である。旧基幹部基部から大小無数のヒコバエが群がり生えて一樹をなしたもので、その内幹囲1メートル以上のものが20数本もあり、最大のものは約3メートルのものもある。 この大カツラは、山神(やまのかみ)の社地内にあり、昔はしめ縄も張られていたというが、近くに神祠(しんし)もなく木自体が神木として崇敬されていたと推定される。 推定樹齢は1000年といわれ、樹勢は今なお旺盛である。
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カササギ生息地
天然記念物
カサザキはカラス科に属し、カラスよりやや小さく、黒色に白斑のある翼を大きくはばたかせながら飛びかっている。 カササギはアフリカの北西部及び北半球の全域に分布しているが、地域差が強く、わが国では佐賀平野を中心に生息していて、他で見ることのできない珍しい鳥である。大正12年(1923)、天然記念物にその生息地として指定された。佐賀市・鳥栖市・神埼市・三養基郡・多久市・小城市・武雄市・杵島郡・鹿島市・藤津郡と福岡県の三潴郡・山門郡が範囲である。最近は唐津市・東松浦郡・伊万里市・西松浦郡はもとより熊本県や長崎県でも生息している。 カササギは勝烏(かちがらす)、勝鳥(かちどり)、肥前烏(ひぜんがらす)などと呼ばれて佐賀県民に親しまれ、昭和40年(1965)5月、県鳥に指定された。生息の起源については、豊臣秀吉の朝鮮出兵時に佐賀藩祖鍋島直茂らが持ち帰ったなどという人為的移設説や自然飛来説などがある。 繁殖期は1月から6月ごろまで、巣作りは早いもので12月に始まり高木や電柱上に営巣し、送電に支障をきたすこともある。無数の枯枝を組み合わせて作られた球形の大きな巣内に2月から3月ごろにかけて5~6個を産卵し雌が抱卵して、約20日ぐらいで孵化(ふか)し、4~5月頃を中心にヒナは巣立をする。