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[指定文化財][国][富士町]は2件登録されています。
指定文化財 国 富士町
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下合瀬の大カツラ 一株
天然記念物
大カツラは、脊振北山(ほくざん)県立自然公園内、佐賀市富士町下合瀬地区樋口にある。付近は標高400メートル前後の低山地で、大カツラは東側に開口する小さな谷間の開口部付近にあり、三方を杉林に囲まれている。 カツラは、九州から北海道にかけての山地に自生する落葉高木で、幹は径1メートル以上に達し、樹皮が縦に裂ける。葉はヘリにギザギザがあり、円形または広卵形で長さ約2センチメートル。葉は細長い柄で対生し、細長い枝の両側に並ぶ。雌雄(しゆう)異株で4~5月、葉に先立ち葉脈に紅色の小さな花が咲く。雄花には多数のおしべが、雌花には薄紅色の糸状の柱頭(ちゅうとう)がある。 下合瀬の大カツラは雄株で、水平根回り13.8メートル、樹高34メートル、枝張り周囲37メートルと巨木である。旧基幹部基部から大小無数のヒコバエが群がり生えて一樹をなしたもので、その内幹囲1メートル以上のものが20数本もあり、最大のものは約3メートルのものもある。 この大カツラは、山神(やまのかみ)の社地内にあり、昔はしめ縄も張られていたというが、近くに神祠(しんし)もなく木自体が神木として崇敬されていたと推定される。 推定樹齢は1000年といわれ、樹勢は今なお旺盛である。
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吉村家住宅
重要文化財
上無津呂は筑紫山地の中心部であり、佐賀県の代表的山村である。この山間部には棟(むね)が一直線をなす直家(すぐや)形式の民家が多数みられる。吉村家住宅はその代表的な家屋の一つで、西北隅の部屋の側(そば)桁(けた)継ぎ手部分に書かれた墨書銘には 大工 落合村 羽右衛門 とあり、この家屋が天明9年(1789)に建築されたものであることがわかる。これは本県下における年代の明らかな民家としては最古のものである。 建物は南面し、桁行(けたゆき)8間(約14.4メートル)、梁間(はりま)5間(約9メートル)、寄棟(よせむね)造り、内部は東に土間をとり、床上は5室に分かれる。 間取りは当初東側を土間ニワとし、これに沿って12畳の「ナカエ」をおき、この上手表側に4畳の「ナカザ」と8畳の「ザシキ」、裏側に細長い「ナンド」、ナカエの裏側に台所を配していた。この間取りは三間取広間型系の発展した形とみることができる。 なお、昭和57・58年度には、老朽化が激しいこともあって、半解体修理が実施された。 吉村家住宅は、佐賀県北部山地に多い直家形式の農家として、年代の明らかな民家として学術的価値が高い。