日待ち・月待ち講
近隣で仲間を作り、ある特定の日に一夜を眠らないで籠り明かすことで、町内では「お日待ち」として、10月14日夜半から翌15日にかけて催されている。一般には伊勢講仲間で行うことが多く、夜を徹して、翌早朝の日の出を拝む。
また、月待ちは特定の月齢の夜に講員が寄り合って飲食を共にし、月の出を待つ行事で「三夜待ち」などで知られる。
いずれも「神のおそばにいる」ということ、すなわち神のそばにいてともに夜を明かすことであったが、後にはそれが日や月の出を「待つ」ことだと考えられるようになったといわれている。
町内には二十三夜と刻字された石塔が残り、村中安全を祈念するなど二十三夜講が信仰的な講集団であったことがうかがわれるが、現在ではその意味もしだいに忘れられつつあり、単に娯楽的な集団として仲間の情報交換や飲食の機会として催されている。