木起こし地蔵の物語

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木起こし地蔵の物語

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■所在地佐賀市本庄町
■年代近世
■登録ID718

上飯盛の常照院の東に正里から中野實翁生誕地へ通ずる道路寄りに、大きな楠が空をついている。その根本に「木起こし地蔵さん」が小屋に鎮座されている。
この物語は天保年間(1830〜1843)頃のある日のこと。恐しく強い台風が吹いて、地蔵さんの傍らの大楠が、東の道路に倒れそうで、南は有明海の海岸で、北は本庄村正里へ通じる重要道路で上飯盛住民一同集まり、長老を中心に話し合ったが、あまりに楠が大きすぎて、処置に困って、夜を迎え住民は寝入ってしまった。
ところがその晩、夜どおし「ヨイサー、ヨイサー」と東の方向より掛声が聞こえ、朝を迎えた。住民は集まって、「昨夜の掛声はナンジャッタローカ」と話しながら東を見ると、アーラ不思議ヤー、あの大きな楠が立派にたち上り、空をついていた。住民は、チョコンと坐した根本の地蔵さんを見て、これはこの地蔵さんが一晩中かかって起してくれたと感謝して、本堂を造り「木起し地蔵さん」と言って今日まで祭りを続けてきている。

出典:かたりべの里鹿子P.34本荘の歴史P.68

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