村祀り

村祀り

■所在地佐賀市嘉瀬町
■登録ID39

 数軒の農家が共同で神を祀る風習である。神に附随して田圃(祀り田、めんだ)があり、1年毎に交替して耕作する。祀り田を耕作する家(ほんつう)は、1年間神を祀り12月1日には、祀りに加わっている家の家族全員が「ほんつう」の家に集って飲食を共にし神への感謝を捧げお互いの親睦を深める。朝はなます、竹輪、澄し汁に赤飯と香のもの。昼の食事は無くて夜は、決った献立の御馳走が用意される。大人には神酒が振舞われ歌が出ることもある。ひと通り飲食が済めば来年度の「ほんつう」を決めるために籤引きをし、今年の「ほんつう」から翌年の「ほんつう」につう渡しの盃事があってお開きとなる。
この行事は、ほとんどの部落で行われていたが、農地改革のあおりを受けて消滅したところが多い。

出典:嘉瀬町史 (P.154)