彼岸ごもりと遍路

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彼岸ごもりと遍路

■所在地佐賀市嘉瀬町
■年代現代
■登録ID36

 彼岸とは春分と秋分の日を中心として、その前後各3日間合わせて1週間をさし、つまり迷いの此の岸(現実)から悟りの彼の岸(理想の涅槃の世界)に至ることである。この彼岸中は「彼岸ごもり」といって部落のお宮のお堂に一家の主婦たちが集まり先祖を偲び感謝することをした。またこの期間中に全国的には四国88箇所の霊場巡りが行われた。しかし、佐賀から四国までは遠距離であるため、佐賀市郡一帯では弘法大師を祀ってあるお寺など88ヶ所を定め、巡路宿泊地を定めて行脚をしていた。
 嘉瀬では有重の徳善院が一番札所、扇町の苗運寺が二番札所となっていた。遍路の列は法螺(ほら)貝を吹きながら嘉瀬のお寺や神社等の札所を巡り、集落の主婦たちの接待をうけた。しかし、この遍路の行事もあまり行われなくなって、平成15年秋の彼岸をもって嘉瀬からはなくなった。

出典:嘉瀬町史 (P.152〜P.153)