獅子舞(大神楽)

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獅子舞(大神楽)

■所在地佐賀市久保泉町
■登録ID2942

 今から約700年前、檪木村の北の松林、現在は地区立納骨堂前左の楠あたりに鬼の岩屋があり穴の中に、獅子がいて、『これを見たら家内安全・無病息災・安産の御利益がある』といわれ、みなが拝観したがった。ところがなかなか、お姿を現わしては下さらない。
 たまたま、丹波の国の小間物売り「与作」がこのことを聞き、村の衆のお役に立つことならばと、村人に笛や太鼓で囃させ、自らは造花の『めずい棒』を両手に、面白おかしく踊りめずった。獅子は何事かとチラット姿を見せたゲナ。それからは、与作はもとより囃手の村の衆は、御利益てき面、みなが幸せになり、村は繁盛したとサ。
 この獅子を神獅子とあがめ、全国の社寺のお札で獅子の面を造り、小鼓打ちを「もらーし」と呼び、詞章(よみ歌)を作り、舞として後世に継承するようになった。これを『檪木のジャーカグラ獅子舞』という。
 隣地区の尾崎獅子舞によく似ているが、伝承が異なり当方のはササラが無く、よみ歌の節回しが違い、神埼の櫛田神社には出場せず専ら金立神社の50年に一度の大祭りや、雨乞いのみに先導露払い役を勤める。
 出場総勢は、60名だが小地区なので少なくなった。
○音頭取  数名
  むらの長老がなり、紋付羽織で、赤白の三角紙を吊した杖を持つ。
  この中から頭領1、歌い手2が出る。
○獅子めずい又は「与作」  2名   
  少年が交替でなり、造花のめずい棒を両手に、あご吊り彫り黒面を、かむり、
  赤白の女の長襦袢を尻からげして、腰にひょうたんを下げ、面白おかしく踊る。
○獅子っきゃー  10名の2組  
  青年がなり、獅子の胴内に入る。服装は獅子めずいと同じ、先頭が獅子の面を操る。
○笛の役  8名  
  熟練した若者で、頭領の旗による指揮により、横笛の調子を変える。紋付羽織
○小もらゃーし  6名の2組 
 小太鼓打ち、筒袖の白衣に紫のたすき、緑の帯。花笠をかむる。
○うう太鼓打ち  2名  
  太鼓は2人が担いでいたが、今は車に乗せる。
 獅子の頭部獅子頭は全国の神社の神符を竹編みに幾重にも貼り、赤に塗り、たてがみには白紙の御幣が結ばれ、胴体の前は無地の麻布を垂らす。胴体は紅白の幕布で、尻尾はない。
 「ジャーカゲラ」は「大神楽」でなく、「代神楽」とも考えられる。伊勢詣りの代りに、伊勢の御師が神楽の一座を連れて各地を訪れ、舞をしたのを「代神楽」という。中国にもこれに似た舞がある。
 左右の狛犬の左の口を開いた方を「しし」という。
 野獣を総称してもいうし、特に鹿を指す場合がある。鹿ヶ谷・鹿垣。

出典:久保泉町史跡等ガイドブックp.22〜25